ども、こんにちは。高インボムです。
そんなこんなで、前回のブログで「腕はどこからどこまでか?」「腕の根元はどこなのか?」という話をしました。
結論としては、「鎖骨&肩甲骨から先が腕」「腕の根元は肩ではなく胸」という事でした。
また、そういったことから、腕がスムーズに動くためには胸まわりとの連動が大切になるという話でした。
今回はそれを踏まえて、胸の動きや機能について探っていきたいと思います。
胸まわりは柔らかく動きますか?
皆さんは、胸まわりがほぐれて柔らかく動くようになっているでしょうか?
胸椎・肋骨・胸骨という骨で囲われた胸まわりの骨格のことを『胸郭』と言いますが、身体操作において、胸郭が柔らかく動くかどうかは股関節や仙腸関節といった骨盤周りと同じくらい重要ポイントになります。
もちろん腕の動きにも関係します。

では、この胸郭がうまく動くためには何がポイントになるのか。
いくつかの要素がありますが、おそらく一番のポイントになるのは胸椎(背骨の胸の部分)です。
背骨の中の最重要ポイント『胸椎』
人間も含めた脊椎動物にとって、背骨(脊椎)は身体を動かすための最重要ポイントと言っても過言ではないと思います。
その背骨は、24個の椎骨と仙骨・尾骨という骨の組み合わせで成り立っていますが、24個の椎骨は頸椎(首)・胸椎(胸)・腰椎(腰)の3エリアに分けられます。
その3エリアの中で、頸椎・腰椎と違って胸椎だけがその側面から肋骨と繋がって胸郭を形成しています。
これはつまり、「他の部位への影響が大きいのに一番動かしづらい」ということになります。
骨格図を見ると一目瞭然ですが、胸椎のまわりだけ何だかすごく複雑で動きにくそうな構造になっていますよね。

実際はここに鎖骨や肩甲骨も付随するので、さらに複雑になります。
このように、他の部位への影響が大きいのに一番動かしづらい背骨の箇所、胸椎。
その胸椎の動きについて語る際に必ずと言っていいほど出てくるキーワードが『胸椎伸展』です。
胸郭の動きは胸椎伸展がポイント
胸椎伸展とは、胸椎を反らす動作のことで、身体を動かす様々な場面で重要な動きになります。
実は、胸郭が柔らかく動かせるかどうかは、胸椎の伸展ができるかどうかが大きく関係します。
普段はゆるやかに後弯(後ろに丸まった状態)している胸椎。
この胸椎が反る動きをすることで、胸郭が開いたり膨らんだりする動作が可能になります。
また、そういった胸郭の動きが鎖骨や肩甲骨を通して腕の動きにも繋がっていきます。
特に上腕の外旋/内旋がスムーズにおこなわれるためには、胸郭との連動が必須になります。
前回「腕の根元は胸」という話をしましたが、腕をうまく使えている人は基本的に胸との連動がスムーズに起こっていますし、その動きの元を辿ると胸椎に行き着くというわけです。
ちなみに、胸椎が伸展できなくなると背中が丸って肋骨が萎んだまま胸郭が固くなってしまいます。
そうなると身体操作において不利になるだけではなく、姿勢の崩れや代償動作の影響で腰痛や肩こりなど身体の不調の要因にもなり得ます。
また、胸郭は肺を動かす役割や全身のバランスを取る役割を担う部位でもあるので、胸郭が柔らかく動くかどうかは呼吸やバランス感覚にも関係してきます。
というわけで、胸椎や胸郭はドラムをやるかどうかに関わらず是非とも動くようにしておきたい部位です。
バンザイで胸椎伸展
胸椎伸展の動きがうまく発生しているかのチェックとして、また、胸椎伸展が起こるようにするためのエクササイズとして、『バンザイ』があります。
良ければ立った状態でバンザイをするというのを試してみてください。
胸椎伸展がうまく起こっている場合は、バンザイをした時に身体をのけぞったり腰を反ったりせずに腕をまっすぐ上に挙げる事ができます。
そうではなく身体がのけぞったり腕が開いたりするようであれば、胸椎伸展が起きていない=胸まわりが固くなっていると思うので、その場合は日々のエクササイズとしてバンザイを取り入れてもらうと、少しずつ胸まわりが柔らかく動くようになって胸椎の伸展も発生してくるかと思います。
バンザイエクササイズをおこなう際には、
・肘が曲がったり腕が横に広がらないように。
・腰が反ったり身体がのけぞったりしないように。
といった事を注意してもらうと良いかと思います。
ちなみにバンザイの他、以前に股関節に関するブログで紹介した『花輪のポーズ』も胸椎伸展を伴うエクササイズです。
この場合も背中が丸くならずに出来るかどうかを意識してもらうと良いかと思います。
まとめ
というわけで、今回は胸まわりの動き/機能について、そして、その中でも特に重要な『胸椎伸展』について書いてきました。
胸まわりが柔らかく動くかどうか、また、胸椎が進展できるかどうかは、腕のみならず全身を上手く使う上でとても大事になります。
もちろん「腕の根元は肩ではなく胸」という構造から、腕の動きと胸まわりの関連性はとても深いです。
「腕の動きを良くしたい」と思っているけどイマイチ伸び悩んでいる方は、視点を変えて、腕ではなく胸まわりの動きを見直してみるのも良いかもしれません。
僕も精進していきます。
では、本日はこれにて。
サラバオヤスミマタアシタ!