ども、こんにちは。高インボムです。
そんなこんなで、身体のことに取り組んでいると『丹田(たんでん)』という言葉を見聞きする事があります。
「へそのちょっと下にある架空の部位」
「東洋医学や武道・武術の世界では重要らしい」
くらいの認識はあるものの、いまいちハッキリとした定義や役割がわからないもの、丹田。
今回は、そんな丹田について改めてまとめてみようと思います。
『丹』と『田』の意味
丹田の具体的な中身を探る前に、丹田という言葉の意味を調べてみましょう。
どうやら丹田の『丹』と『田』には、それぞれに次のような意味があるようです。
丹(たん)
赤い色。不老不死の薬。仙薬の象徴。丸い。核になる。精製されたもの。貴重なもの。霊的な力を持つもの。真実。
→ エネルギーが凝縮されたもの。その核。
田(でん)
田んぼ。生命の根源となる場所。育む場所。集まる場所。蓄える場所。耕して活性化させる場所。
→ 生命の源。育み、蓄え、高める場所。
これらの意味合いを合わせていくと、丹田は、「生命エネルギーが凝縮し、蓄えられ、耕されるべき場所」「生命力や精神力の根源となる、非常に大切な場所」という感じになります。
丹田について、今までぼんやりしていたけど、少しイメージが湧いてきました。
丹田の上・中・下
では次に、丹田の場所について見ていきましょう。
実は丹田には三種類あり、冒頭で言っていた「へそのちょっと下」にあるのは『下丹田(げたんでん)』というもので、その他に『上丹田(じょうたんでん)』『中丹田(ちゅうたんでん)』があります。
それぞれの場所を大まかに捉えると『上丹田:頭』『中丹田:胸』『下丹田:腹』となり、さらに具体的には、
上丹田:眉間の奥。または頭の中心、松果体付近。
中丹田:胸の中央。鳩尾(みぞおち)の奥。
下丹田:へそから指三本分ほど下の、その奥。
となります。
上中下の三つの丹田のうち最も重要なのが下丹田とされていて、一般的に『丹田』と言う場合は下丹田を指すことが多いかと思います。
また、下丹田は臍(へそ)の下にあるということで『臍下丹田(せいかたんでん)』と呼ぶこともあります。
三つの丹田の役割
今度は三つの丹田について、それぞれの持つ役割を見ていきましょう。
上丹田、中丹田、下丹田の役割について、上から順番に「知・情・意」と表されることがあります。
それぞれ解説すると、
上丹田:知
上丹田は精神の司令塔で、知的活動を司る部位とされています。
知性、理性、思考、判断力、洞察力、想像力など。
上丹田が活性化されることで、集中力が高まり、物事を深く理解する力が増すとのこと。
中丹田:情
中丹田は感情の中枢であり、人間関係や共感力と深く関わる部位とされています。
愛情、喜び、悲しみ、怒りなど。
中丹田が調和することで、感情のバランスが保たれ、豊かな感受性が育まれるとのこと。
下丹田:意
下丹田は生命力の源で、生きるための根源的なエネルギーが宿る最重要の部位とされています。
意志、意欲、行動力、実行力、気力、活力、自信、勇気など。
下丹田が充実することで、地に足の着いた安定感や、内側から湧き上がる力強さを感じるとのこと。
これら三つの丹田はお互いに影響しあっていて、知・情・意のバランスがうまく取れていることが心身の健康や調和にとって大切だとされています。
最重要の下丹田
今挙げた三つの丹田のうち、最も重要なのが下丹田(臍下丹田)とされます。
下丹田には生命エネルギーの源が宿るとされるので、まずはここが活性化/充実する事が大切というわけですね。
「腹を据える」「腹をくくる」なんて言葉もありますが、これも下丹田を意識することが精神的な強さや覚悟につながることを表しています。
また、立位の姿勢では身体の重心は下丹田あたりにくるので、身体操作の面からも下丹田は重要なポイントになります。
まとめ
というわけで、身体のことに取り組んでいるとよく見聞きする『丹田』について調べてみました。
改めてまとめると、
- 丹田とは、生命エネルギーが集まる大切な場所のこと。
- 丹田には上(頭)・中(胸)・下(腹)の三つがある。
- 各丹田の役割は「知・情・意」と表され、このバランスがうまく取れていることが心身の健康や調和にとって大切。
- 三つの丹田のうち、生命エネルギーの根源が宿るとされる下丹田が最重要になる。
- 下丹田は立位時の重心位置にもなるので、身体操作においても重要になる。
- 一般的に言われている丹田とは「下丹田」のことを指している場合がほとんど。
という感じになります。
今回は、丹田についてその概要をザックリまとめただけになりますが、興味がある方はさらに詳しく調べてもらえたらと思います。
例えば、丹田を整えたり活性化させたりするには、姿勢、呼吸、瞑想、運動、といった方法がよく挙げられますが、この辺りのことも奥が深いので学んでいくととても面白いです。
僕も引き続き探究していこうと思います。
では、本日はこれにて。
サラバオヤスミマタアシタ!