ども、こんにちは。高インボムです。
そんなこんなで突然ですがクイズです。
初心者の人が楽器の練習を三ヶ月行なうとします。
①10分の練習を毎日
②5時間の練習を月一回
一ヶ月を30日で計算した場合、合計の練習時間はどちらも15時間。
初心者が着実に上達するためには①と②どちらの練習方法が有効でしょうか?
少し極端な例ですが、是非この問いについて考えてみてください。
科学的な知識がなくても、直感的に答えれば大抵の人は正解を選べるのではないかと思います。
ちなみに正解は①「10分の練習を毎日」です。
そして、②「5時間の練習を月一回」では効率的な上達はほぼ見込めません。
なぜそう言えるのか?
今回はスポーツ科学や認知科学の視点から考察していきます。
時間よりも頻度が重要
スポーツ科学や認知科学の観点から考えると、運動スキルを習得する際にまず重要になるのは「取り組む頻度」なんですね。
以前、『運動学習の3段階モデル』について書いたブログ記事でも紹介しましたが、初期の段階で大事なのは、基本的な動作や感覚を「身体と頭に定着させること」で、そのためには「運動スキルの忘却が進行する前に取り組んでそれを繰り返すこと」が必要になります。
簡単に言うと「頻繁にその物事に取り組むこと」が必要である、と。
冒頭の例の場合、トータルの練習時間は①と②のどちらも15時間ですが、練習頻度は①が90回なのに対して②は3回。
この二つの練習方法には圧倒的な「頻度の差」があるわけですね。
人間は、頻繁に取り組む物事についてはその動作や感覚が徐々に身体や頭に定着していく一方、何もしないものについては時間とともに忘れていきます。
特に定着していない運動スキルは忘却のスピードが早いです。
①の方法は毎日の取り組みによって少しずつスキルが定着して上達に向かっていきますが、②の方法ではブランクが空きすぎてスキルの定着が見込めず、いつまで経っても上達しないというわけです。
物事の習得や上達を目指す上で「まずは量をこなすのが大事」と言われることがよくありますが、より正確に表すと「頻繁に反復することが大事」という感じです。
ボーダーラインは週2回
では、具体的にどれくらいの頻度が適切なのか。
毎日練習できるのならそれが理想ですが、実際にはそれが難しい状況の人も多いかと思います。
その場合、最低どれくらいの頻度で取り組めば上達が見込めるのか。
目安のボーダーラインは「週2回以上」です。
先ほども述べましたが、何かを新しく身につけるためには、まずは頻繁にその物事に取り組む必要があります。
定着していない運動スキルは忘却のスピードが早く、楽器演奏でもスポーツやダンスでも、初期の段階では練習のブランクが空けば空くほど学習効率が落ちるんですね。
そして、学習効率を落とさない頻度として絶対的なボーダーラインがあるわけではありませんが、運動学習における分散効果と忘却のメカニズムから考えると、練習と練習の間隔は多くても3日以内が望ましいと言えそうです。
平均すると「週2回」ですね。
というわけで、毎日練習するのが難しくても、どうやら週2回のペースで練習を継続できれば上達が見込めそうです。
ベストな練習時間は?
頻度が大事なのは分かったけれど、「じゃあ1回の練習で何分やればいいの?」という疑問が湧いてくるかと思います。
初心者の場合、もしも毎日練習するなら「1回10分」でもOK。
そうではなく週2回のペースであれば「1回あたり60分程度」を目安にしてもらうと良いかなと思います。
週2回のペースだと練習と練習の間にそれなりにブランクが空くので、練習時間があまりに短いとリハビリ(復習)だけで終わってしまい運動スキルの定着が起きにくいです。
では、長時間やれば良いのかというとそういうわけでもなく、人間の脳の認知特性上、高度な集中力を維持して質の高い学習を行なえる限界の時間は1回あたり45分〜90分と言われています。
というわけで、週2回のペースで着実に上達を見込むのであれば、1回あたりの練習時間の目安は60分程度が妥当だろう、となります。
※ちなみに、基本的な運動スキルがある程度身についた中級者以上になると、休憩を挟みながらの長時間練習はスキルの深化に繋がるのでとても効果的です。
初心者は短時間&高頻度の練習をするべし
というわけで、本日の結論を一言でまとめると
初心者のうちは
短時間で良いから
高頻度の練習をするべし
という感じ。
理想は毎日少しずつですが、それが難しくても週2回の練習ペースをキープできれば充分上達は見込めます。
ちなみに、ちょっとの練習を毎日もしくは定期的に継続していけると、脳の神経回路がそのルーティンを当たり前の状態として学習し(自動化)、日々の練習が習慣化されてさらなる好循環も期待できます。
「継続は力なり」という言葉がありますが、本当にその通りだな〜と。
何なら「継続だけが力」なんて思う今日この頃。
お互い未来の自分を信じて精進していきましょう!
では、本日はこれにて。
サラバオヤスミマタアシタ!
