自分次第のものに注力しよう! -ストア派哲学が説く心の平静と自由-
ストア派哲学における自由を得るためのとても重要な考え方。それは物事を『自分次第のもの』と『自分次第ではないもの』に分けて捉えること。そして「自分次第ではないものについては執着せずに受け入れるようにして、自分次第のものに意識を向けて力を注ぐようにしよう」というものです。これはアドラー心理学の『課題の分離』にも通じるような考え方です。ストア派の言う『自分次第のもの』とは主に自分の精神にまつわるもので、自分の意思や思考、それに伴う判断や行動など、自分でコントロールできる物事を指します。一方の『自分次第ではないもの』とは、肉体にまつわるもの(老いや病気や死)、富や財産にまつわるもの、他者の言動にまつわるものなど、自分の思い通りにはできない物事を指します。自分次第のものは、誰かや何かに妨げられることもなければ強制されることもないので本質的に自由である一方、自分次第ではないものは、それを手に入れようとしたり避けようとしたりすると自分以外の誰かや何かに左右されながら生きていくことになり、心の平静や自由を得ることが難しくなってしまう。よって、自分次第ではないものをコントロールしようとするのはやめて、自分次第のものにフォーカスしていこう、というのがストア派の教えです。