『COPPELION』
最近読んだ漫画のタイトルです。

近未来の東京が舞台なんですが、
そのストーリーの中身は
大地震によって原発事故が起こり
東京が放射能汚染されたという設定で、
遺伝子操作によって放射能耐性を持った
女子高生達が活躍するという内容。

放射性廃棄物や原子力発電所の問題を提起するような
作品は色々とありますが、これはなかなか強烈です。

 

コミック第一巻の初版が2008年との事ですが、
作者は当初、こんな事が起こらないように
という意味も込めて書いていたとか。
また、この漫画を書くにあたって
取材や研究も色々とされたらしく、
さらに東日本大震災&原発事故の後というのもあって
今読むとそのシリアスな内容がよりリアルに感じられます。

今の人間社会に必要不可欠とも言える
電力を作るというプラスの役割を担う反面、
放射能による直接的な被害の他、
権力・差別・環境・経済・エネルギー・政治などなど、
まるで世の中の仕組みの矛盾を凝縮したような問題を抱える原発。
この作品でも様々な描写を通して
それらの側面を伝えられているように思えます。

そして東日本大震災に伴う東電の原発事故が
想定外なんかじゃない
という事も改めてわかります。

あ、ちなみに内容がリアルに感じられると書いたけど、
最近のレビューでは治療法やリスクの違いの描写が甘い部分もあるようで
時には「非科学的」という指摘もされているらしく、
ただ、その点に関しては
ジャーナリストの佐々木俊尚さんがコメントしていた
「いまや多くの国民が放射性物質に詳しくなりすぎてしまったから」
という解説が一番しっくりくる気がします。

 

まあそんなこんなで
シリアスな部分が際立っているかもしれませんが、
読み物としても面白いです。
第二部以降はさらにSF的な要素も強くなっていくし、
そういうのが好きな人にも楽しめるかも。

というわけで、本日はこの辺で。
サラバオヤスミマタアシタ!

blog20130517