ども、こんにちは。高インボムです。
そんなこんなで身体操作の話題になる時によく出てくるワード、『バランス感覚』。
身体操作を考える上でとても重要な要素であり、個人的にはもしかしたら一番大事な要素かもしれないとも思っていますが、この『バランス感覚』というものについて改めて考察してみたいと思います。
『安定』か『固定』か
僕はバランス感覚を語るとき、出す例として『竹馬』と『バランスボール』の二つを挙げることが多いです。
さらに、バランス感覚を養うのに竹馬をオススメする一方で、バランスボールの類はオススメしないというのもしょっちゅう言っています。
僕のレッスンに来てくれてる人は、この話は聞き飽きているかもしれません(笑)
その理由には自分なりの理論があるのですが、一言で言うと『安定』か『固定』かの違いになります。
『バランス』というものを考える時、それを『安定』と捉えるのか『固定』と捉えるのかがその先の大きな違いになるのですが、安定とは「動きの中で調和を図ること」なのに対し、固定とは「力で一点に留めること」で、似ているようで実は対極のものだと言えるんですね。
バランスというものが動きとともにあるのかどうか、そういう風にも言えるかもしれません。
また、動きの中で調和を図る安定を目指すためには『リラックス(脱力)』が重要になり、力で一点に留める固定は『緊張(力み)』へと繋がります。
そしてそもそも、身体操作を考える上でなぜバランス感覚が重要になるかというと、「身体をスムーズに動かすため」というのがあると思います。
つまり、身体の動きや変化が前提になるので、目指すべきは固定ではなく安定のはずなんですね。
竹馬とバランスボール
で、先ほど挙げた二つの例(竹馬とバランスボール)で考えてみると、支点が存在していてそこに対して重心をコントロールする竹馬は『安定』にあたり、支点が存在せず重心を一点に留めることになるバランスボールは『固定』にあたります。
この違いを認識しておくと、この先も何となくイメージしやすいかと思います。
バランスボールのような「力を使って身体を1点に固定させるもの」で訓練すればするほど、バランスと動きが別物になり、言い換えると身体の固定や緊張(力み)がクセ付く事になり、スムーズな身体の動きはできにくくなるんじゃないかと思います。
僕自身も色んな方のレッスンをする中で実際にそういう事例を見ているのと、身体操作の指導者で同じような事を言っている人は多いです。
一方で、竹馬をうまく乗りこなすには動きの中での安定を目指す必要があり、歩くのも静止するのも支点や重心など全体を捉えつつ、その中で自分の重心をコントロールする事が大事になります。
また、そのためにはリラックス(脱力)も重要になるので、動きを前提とした身体のバランス感覚を養うのに適したアイテムの一つだと考えています。
全体と中心を同時に捉える
なんだかバランス感覚の考察というより竹馬の考察みたいになってしまいましたが(笑)、『動きを前提としたバランス感覚』を僕なりに定義すると、「動きの中で全体と中心を同時に捉えてそれらの調和を図る能力や感覚」という感じでしょうか。
また、その中の重要な要素としては重心の把握やコントロールがあり、重心の安定のさせ方または崩し方というのはそのまま身体の動きに繋がっていきます。
このように、「動きとバランスがリンクしている」のが本来あるべき『バランス感覚』なんじゃないかなと僕は思っています。
もしかしたら近年見かけるバランス系トレーニングの理論とは真逆になるかもしれませんが、そんな事を思う今日この頃です。
まとめ
というわけで、今回は身体操作を考える上でとても重要な要素である『バランス感覚』について、改めて考察してみました。
ここまで色々と書いてきましたが、バランス【感覚】というくらいなので、頭で考えるのも大事ですが、それよりもまずは身体や五感で捉えるようにして、理論理屈はそのヒントやガイドくらいに思っておくのがイイかと思います。
要するに「身体をいっぱい動かして身体で覚えよう!」ということです(笑)
ちなみに再び竹馬の話になりますが、竹馬にうまく乗るコツとしては、
①自分のカラダの『重心』と竹馬が地面と接する『支点』が縦に揃うようにする。
②歩く時は足を持ち上げるのではなく、重心を移動させることで足を浮き上がらせる。
といったことを意識すると良いと思います。
身体操作については本当に奥が深いし、僕もまだまだ体現できない事があるので、これからも精進していこうと思います。
では、本日はこれにて。
サラバオヤスミマタアシタ!
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