下半身って、どこから? -骨盤は上半身、股関節は下半身として捉えてみると-

カラダ

ども、こんにちは。高インボムです。

そんなこんなで身体操作の研究に取り組んでいると、事あるごとに股関節や足裏の考察に戻ってきて、その度に下半身の重要性を認識する日々です。

レッスンでも「下半身が大事」なんて話をよくします。

 

で、ここで素朴な疑問。

そもそも下半身って、どこからどこまでの事なのでしょうか?

上半身と下半身の境目はどこにあるのでしょうか?

 

 

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下半身は股関節から下

言葉の表現として、「下半身は腰から下の部分」とよく言われます。

辞書で下半身について調べてみてもそのように定義されています。

しかし、「腰から下」という定義だと、身体操作的にカラダを捉えるにはとても曖昧な表現になります。

 

そもそも解剖学的には上半身/下半身という区別の仕方は存在しないようで、また、スポーツやダンスの世界では上半身/下半身の区別についていくつかの見解があるのですが、身体操作の世界では「下半身は股関節から下」と定義される事が多いです。

骨格の構造や機能からカラダを捉えると、股関節が一つの境目になるんですね。

 

脚の付け根でもある股関節から下が下半身という感覚、カラダを使う上でとても重要になります。

 

 

上半身は骨盤から上

それでは、上半身はどこからを指すのか?

辞書では「腰から上の部分」と表されていますが、これもやはり身体操作的なカラダの捉え方をするためには不十分です。

 

というわけで、先程と同様に上半身を定義すると、「上半身は骨盤から上(または坐骨から上)」となります。

先程、下半身を「股関節から下」と定義したので、上半身は「股関節から上」としても良いのですが、股関節を境にして上半身/下半身を分けると坐骨を含む骨盤は上半身に入ることになり、坐骨は股関節よりも下の位置にあるので、股関節から上ではなく「骨盤から上(または坐骨から上)」という表現を用いています。

 

ドラムのような椅子に座って手足を動かす動作の場合には、この捉え方がとても重要になります。

 

 

骨盤は上半身、股関節は下半身、として捉えてみると…

腰を境になんとなく上半身と下半身を分けるのではなく、股関節を境にして「上半身は骨盤から上、下半身は股関節から下」と定義し、これを図で表すと次のようになります。

 

図1

 

かなりザックリとした図ですが、 こうやって見てみると、上半身と下半身は一つの線を境に上下に分かれるのではなく、それぞれがクロスするような形で組み合わさっていると言えます。

ここから、上半身と下半身を色分けしてイメージ化すると、次の図のようになります。

 

図2

 

 

そして、このイメージを座位での姿勢に当てはめると次のようになります。

 

図3

 

先程、上半身は骨盤(坐骨)から上として捉えることが重要だと述べましたが、その理由がなんとなくおわかりいただけるでしょうか。

 

上半身と下半身の区別を定義する時、骨盤を上半身と捉えるか下半身と捉えるかは様々な見解がありますが、ドラムのような椅子に座った状態で手足を動かす動作においては、骨盤を上半身として捉える方がカラダの動きの自由度が高くなるのではないかと思います。

 

骨盤を立てて座ることを「坐骨で立つ」なんて言い方もしますが、そのようにして椅子に座ると、上半身の体重は骨盤の下部にある坐骨に乗り、そのまま椅子を通して地面へと伝わっていきます。

そして、脚の付け根である股関節は坐骨よりも上の位置にあり、椅子に座った状態で足を地面に接地した時は足裏には脚の重さしかかからないため、下半身(脚/足)の動きと上半身の動きが干渉し合わずに済みます。

 

つまり、体幹部の安定をキープしたまま脚/足を動かすことができたり、下半身に影響を与えずに上半身が様々な動作をおこなうことができるというわけです。

 

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上半身と下半身の明確な定義はない

ここまで上半身と下半身の区別について書いてきましたが、最初にも述べた通り上半身と下半身を分ける明確な定義はありません。

 

身体操作の世界では股関節を境にして上半身/下半身を区別することが多いですが、これも必ずそうというわけではなく、

例えば「仙腸関節を境にして背骨(仙骨)から上を上半身、骨盤(腸骨)から下を下半身」とする場合もありますし、ダンスの世界では「みぞおち(または胸椎と腰椎の間)を境にして上半身と下半身を区別する」ということが多いようです。

 

それぞれの捉え方によってカラダの感じ方や使い方が変わると思うので、色々と試してみるのも面白いかもしれません。

 

では、本日はこれにて。

サラバオヤスミマタアシタ!