How思考は未来へ、Why思考は過去へ -上達する人に共通する思考と行動のサイクル-

心理

ども、こんにちは。高インボムです。

そんなこんなで気がつけばドラムレッスンの仕事に携わるようになって今年で20年。

一つの仕事を長くしていると色々な発見があるわけですが、長年レッスン業をしている中で、上達していく人には共通する特徴がある事がわかってきました。

 

今回はその中から、思考と行動のサイクルについての特徴を紹介しようと思います。

もし「上達したい」と思っている方がいたら、その参考になれば幸いです。

 

 

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「どうしたら?」を先に考える人と「なぜ?」を先に考える人

上達について考える時に、

①どうしたら上達するのか?

②なぜ上達しないのか?

と、この2つの思考があるとします。

 

上達するためにはどちらも大切な思考なのですが、この2つのどちらを「最初に」考えるのが上達していくために有効と言えるでしょうか?

 

結論を言うと、①の「どうしたら上達するのか?」を最初に考えるのが上達していくには有効だと言えます。

逆に、②の「なぜ上達しないのか?」を最初に考えると上達しづらくなります。

 

長年色んな人を観察していると、上達していく人は①の思考が最初にくる傾向があり、上達しづらい人は②の思考が最初にくる傾向があります。

 

 

なぜそうなるのか。

あくまで傾向ですが、まず、①の「どうしたら上達するか?」を最初に考えるというのは、目的に向かうための方法や選択肢を考えることになり(練習する、上手い人を真似る、誰かに教わる、etc)、その中から自分ができる事を実践するようになります。

一方、②の「なぜ上達しないか?」を最初に考えてしまうと、目的がないまま原因を追究することで言い訳を考えてしまいやすく(環境がないから、時間がないから、才能がないから、etc)、実践しなくなりがちです。

 

で、もちろん上達するためにはそのための行動を実践する必要があるわけです。

というわけで、そもそも上達するための行動をしているかどうかというシンプルな話になるのですが、最初の思考の違いがその後の行動の違い(実践するかしないか)に影響を与えているというわけです。

 

 

今すぐ解決しないといけない場合、誰もが「どうしたら?」を考える

少し極端な例ですが、例えば目の前に命の危険が迫っていたとします。

この時、本当に生き延びたいと思ったら、

①「どうしたら?」

②「なぜ?」

のどちらの思考をするか。

 

おそらく誰もが①「どうしたら?」を考えると思います。

目の前にすぐさま解決しないといけない問題が表れた時、そこで「なぜ?」と原因を探っても直接の解決には至らないので、もし解決したいなら「どうしたら?」(この例の場合は「どうしたら生き延びる事ができるか」)と具体的な方法を考えてそれを実践するしかないんですよね。

 

そういえば「必死でやる」という言葉がありますが、このように考えていくと、これは「今どうしたら良いかだけを考えて振り返らずに行動する」という事なのかもしれません。

 

 

ちなみに、「なぜ?」と考えることが不要というわけではなく、むしろそれが重要になる場合があります。

それは、「どうしたら?」を実践した後、その方法や選択肢、本来の目的などについて考える場合です。

 

 

実践した後に「なぜ?」を考える大切さ

上達していくためには試行錯誤が大切、なんてよく言います。

英語で言う「トライ アンド エラー」ってやつですね(正確にはtrial and error/トライアル アンド エラー)。

目的達成や問題解決のために、様々な方法を試して失敗から学ぶ事を意味する言葉です。

 

色々な方法を実践することと、失敗から学ぶこと。

この二つが合わさる事で、より良い成果を得る。

 

そうです。より上達していくためにはひたすら実践するだけでは不十分で、その過程において失敗から学ぶ必要があります。

そして、失敗から学ぶ時に「なぜ?」という思考が必要になるのです。

また、試行錯誤していく中で本来の目的を見失わないようにすることも大切です。

その際もやはり「なぜ?」という思考が必要になります。

 

実際に、より上達する人を観察していると、

「どうしたら?」→「実践」→「なぜ?」→「見直し」

という感じで、「どうしたら?」を考えて実践をした後に、その結果に対して「なぜ?」と考えて見直しを図る、というサイクルを繰り返しおこなっているのがわかります。

そうすることで、より適切な選択肢が見つかったり行動の精度が上がったり、はたまた目的の確認や軌道修正をしていく事になるので、さらなる上達に繋がるんですね。

 

 

というわけで、上達していく人の思考と行動のサイクルをまとめると、

①最初に「どうしたら?」を考える

②考えた選択肢の中からできることを実践する

③実践した結果や本来の目的について「なぜ?」を考える

④方法の取捨選択や目的の見直しをして、再び「どうしたら?」を考える

②〜④を繰り返す

という感じになります。

 

ちなみに今これを書いていて、「エラそうな事ばかり語ってないでお前もちゃんと実践しろよ」と自分で自分に言い聞かせています(汗)

 

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自己受容と自己肯定のバランスも大事

ちなみに試行錯誤を繰り返すというのは時間や労力を要するのでなかなか根気が必要な事でもあり、そのためにはメンタル面も重要だと思います。

個人的には、①すぐに出来るとは思っていないけど、②いつか出来るようになるだろうとは思っている、というこの二つのバランスが重要だなと感じていて、実際に折れずに根気よく続けていく人はこのバランスがうまく取れているように思います。

 

で、メンタルに関して、「まずは肯定よりも受容が大切」という話をよくしていますが、この場合、①(すぐに出来るとは思っていない)は自己受容、②(いつか出来るようになるだろうとは思っている)は自己肯定なので、ここでもやはり自己受容と自己肯定の順番やバランスが大切だな~と思います。

振り返れば、ウチのレッスン生でプロになった若者は全員この法則に当てはまっているように思いますし、僕も見習いたいと思います。

 

 

 

How思考で未来を見据え、Why思考で過去から学ぶ

というわけで、思考や精神が行動に影響を与えるという話はよく言われるところですが(そして行動もまた思考や精神に影響を与える)、色んな人を観察したり自分のことを振り返ったりしても、そんなことを強く感じています。

そして、「どうしたら?」と「なぜ?」という思考の組み合わせや順番も、行動に影響を与える要素の一つというわけです。

 

ちなみに、「どうしたら?」と考えることをHow思考、「なぜ?」と考えることをWhy思考、なんて言ったりします。

「How(どうしたら)」を考えることで道を切り拓くことができるし、「Why(なぜ)」を考える事で原点に立ち帰ることができるわけですが、これは視点を変えればHow思考は未来に、Why思考は過去に焦点を当てているとも言えます。

しかし、「Why(なぜ)」ばかりを考えて過去を振り返りすぎると何も行動できなくなってしまうし、「How(どうしたら)」ばかりを考えて未来だけに焦点を当てすぎても現実とのギャップが大きくなって今を見失ってしまいます。

 

How思考とWhy思考、どちらも前に進むためにはとても大切な要素です。

両方のバランスをうまく取りながら、つまりは未来を見据えつつ過去から学び、その上で「今できる事」に注力して前に進んでいけると良いんじゃないか、と。

僕自身もそうしていきたいなと、そんな風に思う今日この頃です。

 

では、本日はこれにて。

サラバオヤスミマタアシタ!

 

 

『上達していく人の思考と行動のサイクル』

①最初に「どうしたら?(How)」を考える

②考えた選択肢の中からできることを実践する

③実践した結果や本来の目的について「なぜ?(Why)」を考える

④方法の取捨選択や目的の見直しをして、再び「どうしたら?(How)」を考える

②〜④を繰り返す